札幌医科大学附属病院の形成外科・初診に行ってきました!

なんとか初診の予約も取れて、1年半待ったのち、やっと実際の初診の日がやってきました。我が家の様子をご紹介します。

4年生で初診を受けました

最近はスマホの普及も広がり、欲しい情報がすぐに手に入るようになりました。娘が生まれたばかりのころも、もちろんインターネットは普及しており、欲しい情報にもたどり着くことのできる状況ではありました。

でも、小耳症についての情報は今よりもかなり少なく、体験談や病院の情報もほとんどありませんでした。生まれてすぐは、ぽつぽつとある小耳症のかたが開設しているブログやHPを調べて、なんとなくですが、いつか手術をするなら札幌医科大学附属病院の形成外科がイイナァと思っていました。

ただ、当初はまだはっきりと手術を受けると決めておらず、札幌がとても遠いこともあり、ずっと初診を受けずに過ごしていました。3年生になったときに、「あれ、手術を受けるならもうそろそろ真剣に考えなくちゃいけないな・・・」と、急に焦りはじめました。

娘が小さいときに調べていた札幌医科大学附属病院のHPを見てみたら、初診予約をするには1年以上先の日程になることがわかり、あわててすぐに予約を申し込んだんです。小学3年生の4月頃に申し込みましたが、実際に診察してもらえたのは小学4年生の6月になりました。

初診を受けるまで

娘は相変わらず手術は受けないと言っていたので、「受けないにしろ、ちょっとだけ診察してもらおうよ」と説得し、札幌3泊の旅を計画しました。初診予約の前日から札幌に入り、1日目に市内の観光、3日目も観光を入れ、2日目の午前中も遊んで、午後になったら診察を受けるという予定です。

北海道旅行を満喫!!ついでにちょっとだけ診察、という感じで装い、娘は旅行にノリノリになりました。

1日目・・・新千歳空港から札幌への移動

札幌への行き方は、多くの方が飛行機を利用することと思います。飛行場は新千歳空港に到着します。東京からですと、JALやANAで往復5万円くらい。格安航空なら、早割などを利用すればその半額くらいからあります。

新千歳空港はとても広くてきれいで、レストランもたくさんあります。私たちは当日、午前中には新千歳空港に到着していたので、お昼ご飯を空港内のレストランでいただきました。ウニいくら丼や握り寿司などを食べて、北海道到着した瞬間から旅行を楽しみました。


新千歳空港からはJRに乗って、札幌駅まで移動します。移動方法はJRと高速バスがあります。JRの場合は、普通もしくは快速エアポートです。どちらも料金は同じ(1000円を少し超えるくらい)ですが、快速エアポートには指定席が1車両あって、別途500円を払えば、指定席に座って移動できます。札幌まではだいたい40分ほどです。

高速バスの場合、料金は同じですが1時間ちょっとかかり、時間が長くなります。高速バスの良い点は、バス停が札幌市内のいたるところにあるので、ホテルのそばにちょうどバス停があればとても便利になります。また、札幌医科大学附属病院のそばにもバス停があるので、直接病院へ行く場合は、高速バスがとても便利です。

我が家はJRの快速エアポートの普通車両で移動しました。ただし、この快速エアポートの普通席はとても混んでいて、ほぼ座れない状態と思っていたほうがよいです。札幌駅まで40分といえど、スーツケースを持って踏ん張って立って乗車しているのはとてもつらく、普通席に乗ったのはこの日だけで、後日からはかならず指定席を取るようにしていました。

指定席の車両には、席とは別にスーツケースを置くスペースが設けられており、ゆったりと座れてとても快適です。

1日目・・札幌市内観光

JR札幌駅にめでたく到着したら、ホテルのある出口方面に向かいます。札幌駅はとても広いターミナルステーションなので、事前にホテルの行き方(方面)を調べておくのがベストです。

もし少し遠いようなら、地下鉄などは使わずにタクシーを利用することをお勧めします。地下鉄は案外料金が高く、家族数名で移動するとタクシー代と同じもしくはタクシーのが安いくらいになります。

また、タクシーの空車は街中でたくさん走っており、どこへ移動するときでもすぐに乗れて便利です。さすが都会だな~と感じました。

駅にもたくさん止まっており、札幌は道がかなり整理されていて道幅も広いので、目的地まですぐに到着します。ちなみに、札幌駅から札幌医科大学附属病院までは、1000円~1200円くらいになります。何度も乗りましたが、ほとんどはこの金額内でした。1度、とてもおしゃべりの運転手さんがいらして、その人の時だけ1400円になりました。おしゃべりに夢中になってたんでしょうか、でもとても楽しい時間だったので良い思い出になっています。

我が家はとにかく北海道を満喫したかったので、ホテルにもこだわりました。駅に近い某老舗のホテルにしました。歩いてチェックインし、その後には、近場のこれも歩いて行ける市内を観光です。
時計台
時計台、旧道庁、大通公園など、市内巡りを楽しみました。どこへ行っても楽しくて、娘も大はしゃぎです。特に時計台は室内の2階が講堂になっていて、時計の内部の仕組みも見ることができてとても楽しかったです。


こちらは北海道庁。威厳があり、中もクラシカルでかっこよかったです。広いので歩いてみて回れば十分楽しめます。

観光が終わればホテルに戻ります。我が家はホテルにこだわっており、部屋のグレードもコンフォートタイプにして、リラックスタイムを重視しました。夕食はホテル内のフレンチを予約しておきました。そのフレンチがとてもおいしく、フルコースで頂いたので時間もゆったりと過ごせました。

ムードも良くて、娘が大喜びし、その後北海道を訪れるときには何度も利用しました。こうして、1日目は、まるで病院のために来たことを忘れるくらい、北海道を楽しみました。この観光によって、北海道の印象がグーンとよくなって、娘も怖がらず、プラスなイメージになったと思います。

2日目・・とうとう外来へ

2日目も、午前中は観光をして、午後から受診となります。午後1時半からの予約でしたので、1時間前の12時半には受付に行きました。札幌医科大学附属病院では、本来ならば午前中には受付が終わってしまうのですが、四ツ柳先生の外来は特別で、形成外科の初診の場合のみ、午後からも受付をしてくれます。カーテンが閉められた受付の一角だけカーテンが開けられており、そこから初診の受付をします。形成外科は地下1階なので、受付を済ませたら地下へと向かいます。

形成外科の四ツ柳先生の診察だけが行われているため、外来はとてもがらんとしています。人気も少なく、静かなのですが、病院特有の寂しさは全くなく、ピンク色を基調とした室内装飾のおかげか、温かいムードがあふれる外来です。掲示されている、小耳症の手術についての新聞記事などを読みながら、順番が来るのを待っていると、時間を30分すぎてもなかなか呼ばれません。

2時すぎになると、診察室から患者さんと先生が出てきました。先生は「ごめん、ちょっと遅れちゃったけど、あと10分だけ待ってて!」とおっしゃって走ってどこかへ行かれました。

あとからわかったのですが、先生は朝8時半からずっと外来で診察を続けていらして、この10分の間にお昼ご飯を食べて、急いで戻っていらして私たちを診てくれました。

診察でわかったこと・変わった娘の心

先生は娘の目を見て、この手術について、入院について、おみみについてのいろいろな話を真摯に話してくださいました。私たち親にというよりも、子供にわかりやすいように優しい言葉を選んで、そして娘の目を見て話しかけてくださる姿にとても感動しました。

なかなかこういう先生はいないな、と感じました。子供のことを第一に思ってくれて、子供が不安がる様子を見ると冗談をまじえながら、まっすぐに向き合ってくれます。

娘が「こわいからいやだ。手術はいやだ」というと、先生は、「そうだよな、怖いよな。どんなことをするかわからないし、どんなお耳になるかわからないもんな」と言って、出来上がったきれいなお耳の写真を見せてくれて、手術についても「最初の2日くらいは痛いかもしれない。

でも3日目になると、みんな歩き回って、お友達と遊んでるよ」と、子供立ちの様子を細かく教えてくれました。〇〇ちゃんは走り回って看護師さんに怒られた、〇〇ちゃんは宿題を1つも持ってきていない、〇〇くんはゲームのし過ぎでとうとうお母さんに時間制にされた、などと、とても楽しく話してくれました。

お耳を治すだけでなく、心も癒したい、という先生の考えを肌で実感した診察です。娘のお耳の写真を数枚撮ったあとで、「手術するかどうかは、後日メールで教えてね。するとなったら、予定を組むから早めに決めて連絡してね」との言葉をいただいて、1時間の診察が終わりました。

・手術の方法がわかった
・術後のお耳写真を見せてもらえた
・入院中の様子がわかった

このことで、すっかり安心した娘は、ホテルに帰ってすぐに「手術しようかな」という気持ちになりました。やっぱり、何もわからない状態だとただただ怖くて不安なのは、何歳でも同じですよね。

しっかりと手術内容を理解して、このくらいなら頑張れる、なんだか入院生活も楽しそう、くらいに感じられて、気持ちがすっきりしたんだと思います。

先生の話を聞いても「手術はやっぱりしたくない」というのなら、それはきっと硬い意志なので尊重したいと思いますが、娘の場合は手術をしようという気持ちになりました。

親の私たちも、手術の方法がはっきりとわかり、また病院のムードもとてもしっかりしていてよいと感じ、手術をするならここで、という気持ちになりました。なにより、先生のお人柄に惚れてしまって、この先生に娘をまかせたい、と強く感じました。

とても優しくて慈悲深くおもしろいのに、たくましくて強さも兼ね備えてらっしゃり、手術の腕もすばらしいとなると、惚れずにはいられませんよね!

翌日3日目もしっかりと北海道観光を満喫し、こうして、3日がかりで行った札幌受診の旅はとても楽しく幕を閉じました。