札幌医大ファミリーハウス(予約)に泊まりました

札幌医科大学附属病院ファミリーハウス

札幌医科大学ファミリーハウス

札幌医科大学の四ッ柳先生の人気

札幌医科大学付属病院の形成外科で耳介形成手術をする場合、他県から入院する方なら、付添人の宿泊施設について頭を悩ませるのではないでしょうか。

札幌医大には小耳症手術の名医、四ッ柳先生がいらっしゃるので、全国から患者が集まります。そのため札幌医大付属病院の付添人のための宿泊施設「ファミリーハウス」の予約は取りづらくなっています。

小耳症手術数

2019年(令和元年)には四ツ柳先生が執刀した小耳症手術はとうとう200件を超えました。これは驚きの数字です。

札幌医大付属病院にはたくさんの診療科目があるため、形成外科の手術日は週に2回しかありません。年に96日、そのうち形成外科ではもちろん小耳症手術以外のたくさんの患者さんがいらっしゃいます。たくさんの形成外科医師もいらっしゃいます。それらのかたと手術室を分けながら、小耳症手術を行うため、1日に二人しか小耳症手術は行えません。

ということは、96日×2人=192人。限界を超えて、手術を行われています。しかも四ツ柳先生は口唇裂・口蓋裂の名医でもあり、それらの手術も行ってらっしゃいます。それらの患者さんが、県外からも多数いらっしゃいます。

札幌医科大学付属病院ファミリーハウスを予約する

ファミリーハウス
↑私が泊まったファミリーハウスの部屋です(2019年撮影)

そこで札幌医大の付属で作られている付添人宿泊施設が人気となります。この宿泊施設「ファミリーハウス」は、全部で10室あり、最高30日間まで予約できます(途中予約延長手続きができます)。お一人が30日間宿泊されることも多く、どうしても空きが少なくなります。

ではファミリーハウスの概要や予約方法を見ていきましょう。

札幌医科大学付属病院ファミリーハウスとは

札幌医大ファミリーハウス・・・札幌医大付属病院が運営している、患者・付添人用の宿泊施設

住所・・・札幌市中央区南2条西18丁目(附属病院から徒歩7分)

利用者・・・入院している(もしくは入院前日)慢性疾患児・長期入院者の家族、外来診療の受診予定日の前日又は当日に宿泊を必要とする慢性疾患児・長期入院者とその家族等(患者本人だけの宿泊は不可 )

居室数・・・10室
お風呂とトイレは別になっています。キッチンがついており(冷蔵庫、電子レンジ、IHクッキングヒーター)、食器はお皿・コップ・フライパン・鍋・やかん・おはしなども無料で備わっています。冷暖房完備で、夏はエアコン、冬は各室電気蓄熱式暖房が24時間ついています。ベッドは備え付けでありますが、布団はレンタルする必要があります。

札幌医科大学ファミリーハウス予約方法

ファミリーハウス

↑ファミリーハウスのキッチン。工夫して過ごしていました
清潔感がある台所は各部屋にあります(2019年撮影)

ファミリーハウスに宿泊するためには予約が必要になります。予約は、宿泊希望の1週間前からのみ可能です。たとえば、7月10日(金曜日)の夜から30日間泊まりたいなら、1週間前の7月3日(金曜日)から予約電話をかけることができます。

・宿泊手続=平日8:45~17:00の間に電話予約する

「平日」しか予約電話は受け付けていないので注意してください。もしも7月12日(日曜日)から泊まりたい場合は、土日をのぞくため7月3日(金曜日)から、予約電話をかけることができます。

ファミリーハウスは10室しかなく、長期滞在者が多いので入れ替えが少なく、空き室も極端に少ないのが現状です。また、電話だけで受け付けているわけではなく、病院の医療センターでも直接対面で受け付けているため、平日8:45前から医療センターの前の廊下に何人か並んでいることもあります。すでに入院しており、ホテルなどに泊まっている付き添い人が、ファミリーハウスに入りたくて毎日並んでいる、ということもあります。

札幌医科大学付属病院ファミリーハウス料金について

・1室1泊 2,000円(税込)(何名で泊まってもこの価格になります)

・布団代 1泊目ベッド用=990円、2泊目から7泊目=220円、8泊目以降=110円

・布団二人目 1泊目布団用(二人目宿泊用)=1,100円、2泊目から7泊目=220円、8泊目以降=110円

支払いは、宿泊費用は札幌医科大学付属病院の1Fの医療センターで払いますが、布団代は病院地下のリネン室で払います。どちらも現金のみとなります。

これ以外に宿泊費として必要なものはありません。しかし、洗濯代はかかります。コインランドリーはファミリーハウス1階に1台だけあるので、1回使うたびに(洗濯機1回100円、乾燥機1回100円)コインが必要になります(両替機はありません)。

ファミリーハウス内には自動販売機はないため、施設に戻る前にコンビニなどで買っておいたほうが良いです。付添人たちでよく、ファミリーハウスのロビーに自動販売機があったらいいのにね、と話していました。
札幌医大からファミリーハウスまでの500mのあいだに、ファミリーマートとドラッグストアがありますので、帰りにはたいていどちらかに寄って飲料や甘いものを買って帰っていました。

札幌医科大学ファミリーハウス施設内

ファミリーハウスロビー
↑ファミリーハウスの1階ロビー。ここでよく
付添人の仲間とおしゃべりしていました(2019年撮影)

ファミリーハウス内の施設について、宿泊前はどんな様子か気になりますよね。私が体験した施設について説明します。

ファミリーハウス入り口
入り口ドアはオートロック式の自動ドアになっており、各自預かったカギで入ります。インターホン(各室につながる呼び出しチャイム)は無いため、宅急便などは直接頼みづらくなっています。もしも宅急便を頼む場合は、ファミリーハウスについたら携帯に電話をください、と伝えておく必要があります。

入り口を入ると各部屋番号の付いた靴箱があり(1足ずつカギをかけられる)、ゲスト用の靴箱もあります。

そのまま中に入るとロビーになっています。このロビーは、ソファやテーブル、テレビ(DVD専用)、マッサージチェア、本(漫画や小説、絵本)があります。

私が入っていたときは付添人同士で仲良くなり、このロビーで集まっておしゃべりをしていました。ロビーにおいてある本は各自部屋にもっていってもよく、部屋で読んだ後は戻しておきます。

洗濯乾燥機
ロビーの奥にはコインランドリーがあります。洗濯機1台、乾燥機1台と少ないので、みな頻繁に使っており常に回っている状態です。黒板に予約をかけるようになっており、予約の順番に使うようになります(このコインランドリーの話は付添人に必要なもののページでも書いています)

宿泊部屋廊下
ファミリーハウス廊下

1階には4室、2回には6室あります。1階の1室は車いすでも使える仕様になっています。廊下も広く、車いすでも通れる幅があります。2階へは階段のみでエレベーターはありません。

宿泊部屋内
ファミリーハウス室内

室内は広く、1DKになっています。室内に入ると廊下があり、手前にトイレ・お風呂は別々であります。その奥に洗面台とキッチンがあります。キッチン奥にドアがあり、ドアを開けると「居室になります。

ファミリーハウス

居室にはベッド・ソファ・ローテーブル・ダイニングテーブル・テレビ・DVDなどの家具があります。備品もたくさんそろっており、居室においてあるのは、ポット・湯呑・急須・ハンガー・カレンダー・座布団などがあります。
ファミリーハウスキッチン

キッチンは広く、IHヒーターが2口あります。備品は、フライパン・鍋・食器・コップ・菜箸・おはし・お玉・フライ返しなど、自炊するのに必要なほとんどのものがそろっています。
ファミリーハウス洗面台

お風呂には、桶や風呂椅子があります。食器洗剤やトイレ用洗剤、お風呂用洗剤やモップはありますが、シャンプーリンスやせっけん類はありません。

倉庫にある使っていいもの

ファミリーハウステーブル

ファミリーハウスの倉庫には、各自が必要な場合は自由に使っていいものが置いてあります。これが本当に便利でした。

たとえば、掃除機、扇風機、加湿器などは、部屋数分はありませんが、倉庫にあれば自由に使えます。夏場は扇風機が助かりましたし、寒くなってくると暖房が入るので加湿器が必需品になります。

ほかにも、洗濯物干しざおやクイックルワイパー、ハンガーや、ストーブ(電気式)、キッチン道具(ざるやボール他)、掃除道具や掃除用洗剤など、暮らしに必要なものはほぼ揃っています。

空気清浄機は1台しかないので、どのたかが持っていくと30日は倉庫へ帰ってきません。たまたま見つけた日はラッキーです。

ファミリーハウスの予約裏技

 札幌医科大学附属病院

ファミリーハウスの予約は、少数は現地で並んで申し込む場合もありますが、ほとんどの方が電話での予約となると思います。

この電話での予約ですが、まずは「電話がつながる」ことが第1関門です。朝8:45になったら一斉に電話をかけると思いますが、一発でつながったことは私はありませんでした。だいたいが9時過ぎ、または9時半ごろにつながって、やっとつながった!!と思うと「申し訳ありません、空きはありません」と言われます。

ファミリーハウス予約の裏技

しかし、なんとかして裏技で予約できないのか、と考えました。そして、1つだけ思いつくことがありました。それは「金曜日の予約は取りやすい」ということです。

最初のほうで書きましたが、電話予約は平日のみで、土日は受けついていません。そのため日曜日から宿泊したい場合でも金曜日に電話をすることができます。

ということは、金曜日の電話なら、1週間後の金曜日プラス土曜日・日曜日の、3日分の空き情報からの予約が取れるということです。一気に空き倍率が3倍になります。

ですので、実際は来週の金曜日が希望でも、金曜日は無理でも土曜日から入れたり、日曜日から宿泊できたりします。予約には金曜日がおすすめです。

快適なファミリーハウス

予約はとにかく取りづらいのですが、泊まった方みんなが口をそろえて言うのが「ファミリーハウス最高」「ファミリーハウス快適」ということです。

冷暖房完備、自炊するための道具はすべてそろっている、建物もきれいで清潔です。1日が終わり病室からファミリーハウスへ戻ってくると、私も毎日ほっとしていました。30日も住んでいると、セカンドハウスのような安心感が生まれます。

ファミリーハウスを退室するとき

1つだけ忘れてならないのが、「退室するときには掃除をしていく」ことです。ホテルではありませんので、自分で部屋の掃除をする必要がありますし、ごみが出たら1階のごみ置き場へもっていくことも必要です。

退室するときにきれいにしていかないと、そのあとに入る人がそのまま使うことになります。午前中に退室すると、掃除の清掃係の方がお昼過ぎに掃除機かけと水回りの掃除をしてくれますが、その後すぐに、次の方が入室されます。そうなると、やはり前人がどの程度まで掃除してくれてあったかで、部屋のきれいさに格段の違いが出ます。

私が入ったときは(1か月ずつ、追加入院があったため3回泊まりましたが)一度だけトイレ掃除が行き届いていないことがありました。便器は掃除されていましたが、床や壁のところが不潔になっており、入居早々掃除する、なんてことがありました。また、台所の床が、ごみは落ちていないんですが何となくべたつくことがあり、そこも入居早々拭き掃除をしました。
直前まで暮らしていた人の衛生管理によっては、はずれの部屋があるかもしれません。そういったことがありますので、自分が退室するときは「次の人が気持ちよくきれいに使うためにも、きちんと掃除していく」という気持ちで、隅々まで掃除していきます。

掃除とゴミ出しの不便だけ目をつむれば、あとは快適で静かで、不自由のない付き添い生活が送れます。ぜひ、がんばって予約電話にトライしてみてください!